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デジタルに使用する材料

物理的強度の指標の一つである曲げ強度(図1,2)では、ジルコニア(表1図3)1200〜600Mpa、金銀パラジウム790Mpa、ガラスセラミック(ケイ酸リチウム)360Mpa、歯(エナメル質100Mpa・象牙質200Mpa)、ハイブリッドセラミック204Mpa、光重合レジン130Mpa、従来型セラミック154±15Mpaです。ジルコニアやガラスセラミックは強度に優れています。ジルコニアの曲げ強さには幅があり、透明に近づけるほど曲げ強さは弱くなる傾向があります。ジルコニアやe.max(図4)は、焼成した後では強度が上がりミリングに時間がかかるため、詰め物や被せ物は削り出し後に焼成します。従来型のセラミックを工場で焼成したファインセラミックのブロック(図5)もあり、製作する時間を短縮し、材料も安価で臨床的に便利ですが、脆弱なため破折や欠けなどの問題があります。
 ジルコニアは当初、人工ダイヤモンドの歯や白い金属といわれ、不透明で白過ぎ、天然歯の色が出せませんでした。その後、開発や改良が進んだことで、透明感が生まれ、天然歯と同じようにグラデーションの表現が出来るようになり、前歯にも使用できるようになりました(図6 表2)。
 セラミックに共通した欠点は、急な衝撃に対して弱いことです。一方、歯は性質の異なるエナメル質と象牙質が接着し一体化することで、強度を保っています。e.maxやジルコニアは物理的な強度が向上しましたが、仮着けの期間中や仮着けを外す時に破折を生じることがあるので、早めに接着する方が良いでしょう。
 これまでセラミックは天然歯よりも硬いために、天然歯を磨り減らすのではないかといわれていました。しかし、ジルコニアは丁寧に研磨をすればナノレベルでツルツルな表面に仕上がります(図7,8)。そのため天然歯と擦っても滑るので、天然歯を磨り減らすことはありません。


図1 曲げ強さや圧縮強さを計測する機械です。

図2 曲げ荷重に対して亀裂や破壊が生じる力、応力のこと。この曲げ試験は、平板の試験片を水平にし、試験片の両端を支持して、真ん中に圧子で圧縮を与えます。その時のひずみと応力の関係から曲げ強さを計測します。


表1 ジルコニアの試験片は40X4X3mmで支点間距離は30mmにおける3点曲げ強さ(ISO6872:2015)の測定結果です。曲げ強さは物理的な強度に関係します。数値が高い物ほど曲げ強さが優れています。(クラレ・ノリタケ・デンタルのサイトより改変)
UTMLはUltra Translucent Multi Layeredの略称です。
STMLはSuper Translucent Multi Layeredの略称です。
MLはMulti Layeredの略称です。


ビデオ1 ジルコニアの強度を科学的な数値で知って頂くのも良いのですが、具体性に欠けると思いビデオを制作しました。従来のセラミックは急激な衝撃に弱いとされていましたが、ジルコニアはある程度以上に改善されていると思います。


図3 左からUltra Translucent Multi Layered, Super Translucent Multi Layered, Multi Layeredの順にならんでいます。


図4 e.maxブロック ミリング前のブロックの状態で、紫色をしています。ミリングが終わり、クリスタライゼーション(800℃で58分焼成)を行うと、歯の色になります。

図5ファインセラミック 従来型のセラミック(ポーセレン)を工場で焼成したブロックをミリングする材料もあり、製作する時間を短くでき、材料も安価で臨床的に便利ですが、脆弱なため破折や欠けなどの問題があります。


図6 天然歯と同じようにグラデーションの表現が出来るようになり、前歯にも使用できるようになりました。特にノリタケカタナジルコニアのUTML(ウルトラトランスルーセントマルチレイヤード)は審美的なジルコニアです。


表2 クラレ・ノリタケ・デンタル社の各ジルコニアの透過率
ジルコニアがどれだけ光を透過するかの実験です。
0.5mmの無着色のジルコニアをシンタリング後700nmの光を当て透過率を計測しました。
(クラレ・ノリタケ・デンタルのサイトより改変)
 透過率は光をどの程度通すかの数値で、透明であれば100%です。ジルコニアは透明にすることも可能ですが、物理的な強度が極端に低くなります。
UTML はUltra Translucent Multi Layeredの略称です。
STMLはSuper Translucent Multi Layeredの略称です。
ML はMulti Layeredの略称です。


図7 表面粗さを調べる機械です。材料の中でもジルコニアは丁寧に研磨すれば、奇麗な研磨面に仕上がります。対合する歯が擦っても歯を磨り減らすことは少ないとの報告があります。

図8 ジルコニアの研磨した部分を触針の先端が接触して計測する方式です。触針が試料の表面をなぞり、触針の上下運動を電気的に検出します。その電気信号を増幅して、記録します。


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